2012/08/12

奇妙な味わいの話

昨晩酷く呑みすぎて、ホテルに戻って盛大に嘔吐した。便器にぶちまけられたゲロの中に、黄色く濁った眼球が浮いていた。その眼球はぎろりと私を睨むと、俺はお前がまだ母親の胎の中に居る頃にお前に喰われてしまったお前の兄なのだぞ。と云った。お前は母を独り占めせんと、未熟だった俺を喰らったのだ。お前に喰われた俺は、お前の胃の腑の中で何とか生き延びたが、長年の内に段々とお前に消化されて、今ではこの目玉だけになってしまった。そんな俺を、お前はこの糞に塗れた便器にゲロと一緒にぶちまけたのだ。眼球は悲しみとも怒りともつかない視線で私を睨み続けている。私はこんなものを見るようになるとは私もオシマイかもしれないと思いながら、ゲロと一緒に眼球を便器に流した。


資料を整理していたら、途中で放棄された紙版「ofellabuta vol.6」の用に書いたものが出て来た。

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